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昇進試験のコツ

会社の昇進や昇格試験で、論文や記述問題を受ける方は多いのではないでしょうか?
しかし多くの方は

何を書けばいいのかわからない。
何が問題か分からない。
最終的に当たり障りのない文章しか書けない。

と悩むことが多いと思います。

そこで、半世紀に渡って企業のリーダーシップ開発をサポートしてきた私たちが見つけたノウハウを解説します。
昇格試験へはじめて望む方や、何度もこなしてきた方にもおすすめの内容になっています。

また、キャリアクリエイツでは昇格試験の練習・対策ができるケーススタディ図書館を開設しています。
繰り返し練習していただき、より良いキャリア形成への一助となればと考えています。

セクション1問題文の効果的な読み方

(1)“違和感”を見逃さない!

1つの問題文に盛り込まれる“課題”は決して多くありません。
そもそも“課題”とは「あるべき姿(理想)」と「現状」のギャップのことです。「あるべき姿」なんて深く考えたことがないと思っても、問題文を読んだときに「なんか変だな」「これでいいのかな?」といった、“違和感”をもったときには「あるべき姿」を直感的に描いているものです。
「あるべき姿」を明らかにするためにも、問題文を読んだときに、事実に基づく課題をできるだけ多く挙げておくことが大事です。

(2)アンダーラインを引く!

事実関係を整理する具体的な作業方法としては「アンダーラインを引く」ことをお勧めします。
問題の発見で大切なのは、目立つ問題だけでなく、その背後の原因も把握することです。
特に、問題や原因が複数ある場合、それらのつながりを理解することが解決策の立案に役立ちます。
この過程を効果的に行う方法の一つとして、登場人物の行動や発言に「アンダーラインを引く」という方法があります。登場人物の言動の中に問題となる兆候が隠れていることが多いからです。

セクション2記述のコツと戦略

(1)解答を書くコツ

まずは、当たり前に感じるかもしれませんが、問題文をよく読みましょう。昇格試験の多くは「ケースをよく読んで、登場人物〇〇さんの問題点を指摘してあなたならどうするか、まとめてください。」という出題がなされます。ここで大事なことは「〇〇さん」の問題点を取り上げることです。ケースを読んでいると他にも問題点として指摘できる点があるかもしれません。
しかし設問を読み違えて、他の人の問題点を指摘しても、得点にはならないので注意が必要です。

それでは、実際に問題点を指摘するコツをご説明します。

◆◆問題点を指摘する書き方のコツ◆◆

  • あるべき姿「本来、〇〇さんの立場であれば△△をするべきであった。」
  • あるべき姿とした理由「なぜなら、それは〇〇さんへの期待された役割だったからである。」
  • 現状「それなのに、〇〇さんは■■をしている。」(アンダーライン部分)
  • ギャップ「そのため、~では××のようなことになっている。」(ケースから抜粋する)
  • 現状を招いた原因「〇〇さんが■■してしまったのは、おそらく※※が認識されていないか知らないからと想像される。」

という順番で課題を整理してみましょう。
このような流れで問題点を指摘すると、採点者は減点をしづらくなりますし、むしろ加点に繋がります。さらに、この流れに筋が通っているなら「論理性」も加点対象になるはずです。

◆◆あなたならどうするか?を書くコツ◆◆

次に、問題点を指摘し、現状が整理出来たら、解決策を書きます。
昇格試験の多くで、「~しないように気をつける」「しっかりと管理する」「十分にコミュニケーションをとる」のような心構えや姿勢をまとめた文章では、解決策になりません。
望ましい解決策というのは、だれが聞いても行動をイメージできる表現です。
次の順番で整理してみてください。

  • 現状を招いた原因の原因「※※が認識されていない、もしくは知らなかった可能性があるが、それはもしかしたらコミュニケーション不足が原因かもしれない。」
  • 原因の原因への対策「そうであるとしたら、多忙の中でも%%や$$というような手段をとって意思疎通を図ることもできたはずである。」
  • 原因への対策「そうすれば※※ということも認識できた可能性が大きい」
  • 対策をとる意思表示「わたしがもし〇〇さんの立場なら、できるだけ$$ということを行うようにしたい。」
  • あるべき姿の達成「それによって、本来望ましい△△ができたと思う」

なんとなく書けそうな気がしてきませんか?

(2)さらに加点にもっていくには!

最後に、解決策の評価です。
「実現性」と「効果性」の 2 つの視点を持って見返してみてください。
実現性には「コスト」「期間」「周囲の理解」などがあり、効果性には「生産性向上」「モラールアップ」「後継者育成」などがあります。この実現性と効果性のバランスで解決策を絞り込みます。個人研究で以上のフローをこなせれば、①問題、②事実と原因、③解決策の立案を自分なりに考え、自分なりの結論を出したことになります。

セクション3実際に問題を解いてみましょう!

問題:以下のケースをよく読んで、遠藤課長の問題点を指摘して、あなたならどうするか?をまとめてください。

ビルの設備管理事業を展開するN社は今年、30周年を迎える。ここ5年で環境衛生管理や災害支援に関わる事業にも乗り出し、売上はもちろん、人員規模の面でも拡大を続けている。

事業の拡大を下支えしているのが若い世代の採用である。現在、社員の約2割が新卒採用となっている。

首都圏事業部事業2課の遠藤課長(男46)は、今年4月に昇進し2カ月が過ぎたところだ。同課は3つのグループで構成されており、遠藤は、課内のグループリーダーの役割を務めてから直近の昇進試験を経て課長となった。

遠藤は数少ない同期の中で早い出世を果たしている。もともとアピール力もあり、交渉力が長けているとの自負がある。また、上昇志向が強いタイプだと自己分析をしている。そんな遠藤を筆頭に同課には、16人のメンバーがおり、各グループ5人で顧客対応をしている。メンバーのほとんどが20代であり、グループリーダーは30代と40代だ。

「みなさん! 我々の仕事が社会を支えています。そういう意識をもって、共に事業2課を発展させましょう!」

遠藤は、ある日の課内ミーティングで声を上げた。遠藤は、課員全員が集まるミーティングでどんなことを言えばメンバーのモチベーションが維持できるのかを考え、組織のビジョンを語ったり、鼓舞するためのセリフを考えたりして準備をしている。さらには、「どう働きたいか」や「仕事で成果を出すには?」といった内容については、個別に積極的に声をかけている。自分が20代のときに、年の離れた上司にマメに声をかけてもらったことが嬉しく、いつか自分もあんな上司になりたい、とその上司像をめざして昇進に向けての努力もしてきた。

そんな遠藤は、30歳に近い森川(男29)にそろそろグループリーダー役を担ってほしいと考えており、日頃からとくに彼に声をかけることが多い。

「森川さん、僕がこの前紹介した本は読んでくれた? どうだった? ぜひ感想を聞かせてほしいなぁ」

将来、昇進試験を受ける際に役立つように自分が読んだ本を勧めたのだが、1週間経っても何も言ってこなかったのでしびれを切らしたのだ。

「あっ、申し訳ありません。読もうと思っていたんですが、終業後はプロボノが忙しくて…。それに、僕はあまりビジネス書とかに興味がないんですよね」

森川は、大学時代の経験を活かし、新規事業のマーケティングというどうやら現在の仕事とはまったく違う分野の事業に携わり始めたらしい。活き活きとしていたのはそのせいだったのか、と遠藤は内心がっかりし、少し脅し気味に言う。

「興味がないと言っても、管理職になるには読書は大切だよ。昇級試験間近に焦って勉強しても間に合わないよ」

「いや、僕は…、管理職とかとくに興味ないんです。グループリーダーも荷が重そうで、できれば避けたいです」

森川のその発言に、遠藤は立ち話でするような話ではないと判断し、慌ててそれ以上聞くのをやめた。

N社では、年に2回の目標設定面談の他に、社長の肝いりで月に1回直属の上司と部下との間での1on1ミーティングが実施されている。遠藤も5月から面談を開始し、今日が2回目である。

若手の安田(男26)との面談はとくに気になるような点もなく、遠藤の事業2課に対する想いを伝えることもできて満足している。問題は森川との面談だ。

遠藤は、森川への働きかけが足りなかったからに違いないと考え、本人の入社当時の思いを聞けばやる気が起きるかもしれないと判断した。

「森川さんは、そもそもどうして、この会社を選んだの?」

「設備管理会社は安定していると思ったのです。学生時代から稼いでもいましたし、たくさん稼ぐより自分の時間も取れ、安定した業種をと考えました」

遠藤は、自分が会社を選んだ動機とはずいぶん違うなと戸惑いながらも、続けて聞いた。

「しっかりしてるなぁ。そういえば、この前グループリーダーは荷が重いって言ってたけれど…、あれはどういう意味かな? 僕としては、次の人事で森川さんを推薦したいと思っていたのだよ」

一番聞きたかったことを、いかにも今、思いついたという感じでさらっと聞いてみた。森川に警戒されることを恐れたのだ。だが、森川はそんな気遣いは意に介す様子もなく、返答をした。

「言ったとおりです。これまでなかなか言い出せなかったんですが、遠藤さんは話しやすいので、正直に言います。僕は定年までこの会社で働くつもりはもともとないんです。将来やりたいこともありますし、もっと早くに転職することも考えていたのです。ですが、入社後少し経って災害支援なども手掛け始めました。安田くんも社会貢献に熱心な企業だから選んだって言っていました。そういう意味では、もう少しいて他の事業部を経験できればいいかなって思っています」

「そうなのか…」

遠藤の同期の多くは、N社にいても管理職になる可能性は低いし、キャリアプランが立てられないと30代で転職していった。それに引き換え森川は、30歳を目前にして、昇進の可能性や期待を伝えられているのに興味がないという。そんな森川と、どのように個別ミーティングを進め、目標を設定していけばよいのか遠藤は途方に暮れてしまった。

いかがでしょうか?
このケーススタディの設問に答えられることは、「問題解決の手法を知っている」という証になります。

さて、今回は昇格試験の対策として、問題解決力を高めるコツを紹介しましたが、実際は日常の仕事自体が問題解決の連続です。
目の前で起きている問題、少し気になってこれから問題になりそうな問題、今は気づかないが将来を見据えておいた方がいい問題など、問題にも種類がありますが、どれも「課題」であることには違いありません。あるべき姿は?現状は?原因は?対策は?という問題解決のステップを踏めるビジネスパーソンが求められているのです。

そのためには、様々なケースを知り、繰り返し「自分ならどうするか?」とロールプレイングする事が問題解決力を高める近道です。LDノートのケーススタディは、この問題解決のステップを踏むトレーニングに最適なコンテンツです!

昇格試験のみならず、問題解決に優れたビジネスパーソンに

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昇格試験の対策について検索しても、役に立つものはあまり見つからず困っていましたが、このLDライブラリーの豊富な事例と解説により、問題へのアプローチと試験作成者の意図が理解できました。
(製造業・課長に昇格・Tさん)

今まで、昇格試験の記述で既定の文量を書くのに苦労してましたが、このサービスのケーススタディを通じて、考え方や視野が広がりました。結果、記述で以前より多くを書けるようになり、管理職としての業務にも役立つ知識を得られました。
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